市川伸一先生(教育心理学者)の著書の本文を引用しているツイートを見つけた。
人は「考えたことを書く」のではなく、いわば、「考えるために書く」のである。書くということを通じてこそ、人は自分の考えを進めたり、新しい考えを出したりできる。(市川伸一『勉強法が変わる本』p.186)
ほんとにその通りだと思った。
はじめまして、あゆみです。リレー形式のコラムということで、どのようなことを書いていったらいいか少し悩みました。そんな中、上のツイートを見つけて、なんとなく思いつきました。4月に転職してから電車の乗車時間が長くなり、本を読む習慣ができたので、この場を借りて、本の内容について考えるためにコラムを書こうと思います。 今回は、上のツイートを見て思い出した、博士論文執筆の話について書こうと思います。
しんどかった博士論文

論文ってやったことをつらつら書いていけばいいはずなんですが、なかなか書けません。今はある程度「型」みたいなものがわかってきたような気がするので、前よりは要領よく書けると思います。(たぶん)でも、大体、論文書きながら思っていたのでが、3歩歩いて2歩下がるというか、2歩どころか、4歩下がるときもあって、マイナスじゃん!全然進まねぇ!!って心の中で叫んでました(笑)
前職で一緒だった主婦の方の息子さんが今まさに博士論文を執筆中らしいのですが、ある日、「今日は進んだー!」と言ったので、どのぐらい進んだの?と聞いたら「2ページ」と答えたそうです。思わず「え、2ページ!?(少ない方の意)」って聞き返したくなったそうですが、そこは言わない方がいいなと悟ったらしく、「進んだね」と言ったそうです。論文書くってそんな感じなんだねと言われました。
はい、私もそんな感じでした。
なぜ書くことはしんどいのか?

論文を書くことがしんどかったのは、考えたことを書いていたからではなく、考えるために書いていたからなんだと思いました。書いていくうちに、そういうことだったのか…って気がついて、何度も振り出しに戻るのですが、繰り返していればちょっとずつゴールに近づいていきます。きっと論文に限った話じゃないですね。今のこのコラムもそう。
流行りのnoteとか、なかなかすぐに上手く書けないのが嫌で諦めてたんですが、考えるために書くんだと思ったら、少しハードルが下がるような気がしました。もちろん色んな方に読んでもらえると嬉しいので、読みやすさも必要かもしれないですが…そこは数を重ねるしかないんだな…と。なので、まずは誰かに読んでもらおうということよりも、考えるために書くことを意識してコラムを続けていきたいと思います。
著者プロフィール

あゆみ
都内大学教員。博士(工学)。インストラクショナルデザインを中心に研究。
千葉県市原市出身。実家が農家。ラーメンが好き。
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