ブランディングデザイナーとは?役割や必要スキルを紹介
- 貴代 長尾
- 6 時間前
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ブランディングデザイナーとは、企業にとって重要なブランディングデザインを領域とする専門家です。
ブランディングデザインは「企業が思い描くイメージ」と「消費者が抱くイメージ」を一致させることが重要であり、企業そのものや商品、サービスの価値や世界観を具現化しなければなりません。これらの役割を担うのが「ブランディングデザイナー」です。
本記事では、ブランディングデザイナーの必要性や役割、必要なスキルについて解説します。 デザイン思考・デザイン経営でお困りなら一般社団法人ブランディングデザイン協会へ
目次
そもそも「ブランディングデザイン」とは?
そもそも「ブランディングデザインとはなにか?」ということから解説しましょう。
一般的にブランディングデザインとは、企業のブランディングに関わるすべてのデザインのことを指します。「ブランディング」と「デザイン」に分けて説明します。
● 「ブランディング」
まず「ブランディング」は、企業や商品、サービスなどに対する価値や独自性、イメージを明確にし、消費者が抱くイメージを一致させていく戦略のことです。ブランディングを行うことで、そのブランド「らしさ」や「独自性」を構築できます。消費者がブランドに対して同じ体験をし続けることで、企業や商品を「認知」するようになり、やがて「信頼」や「愛着」などの感情を抱くようになります。
● 「デザイン」
「デザイン」は、直訳すると「設計」という意味があります。単に見た目を美しくすることがすべてではなく、目的を見いだして具現化することや課題解決のための手段であるといえます。 ブランディングにおけるデザインの目的は、ブランドのイメージや世界観を伝えることです。 具体的には、ロゴやコーポレートカラー、Webサイトの構築、グラフィックデザインなどの構築が挙げられますが、それだけでなくブランドの設計から、消費者に届けるためのアプローチ方法に至るまで、包括的に構築していくことが求められます。
ブランディングによってブランドの世界観を統一し、その世界観を表現することがブランディングデザインです。単なる装飾ではなく、企業戦略の中核に関わる重要な要素といえます。
ブランディングデザイナーの必要性
デザインというとおしゃれなものを作りあげるというイメージを抱くかもしれせんが、ただそれだけでのデザインは意味がありません。いくらおしゃれでもブランドの「独自性」や「らしさ」がないからです。 多くの商品やサービスが溢れる現代において、市場での競争力を高めるためにも他社との差別化を図って消費者から認知される必要があります。そのためには、企業が訴求したしたいイメージや価値を具現化し、効果的に伝えていかなければなりません。 また、差別化を図るだけなく、消費者に選んでもらうためには信頼や共感といった感情にも訴えることが重要です。消費者の感情にアプローチするには、品質や視覚的な魅力を超えて、消費者のニーズやライフスタイルまで理解し戦略に反映させなければなりません。ブランディングデザインに取り組むことで、企業や商品の「独自性」や「らしさ」を構築し、消費者とのあらゆる接点において、統一したイメージや体験を提供できるようになります。消費者はどの場面においても同じブランド体験をし、信頼感や愛着、共感へとつながっていきます。 他社との差別化や共感を生むためのブランディングデザインへ導くのが「ブランディングデザイナー」の仕事です。企業にとってブランディングデザイナーは、多くのメリットを生む重要な存在なのです。
ブランディングデザイナーの役割
ブランディングデザイナーは、具体的にどのような役割を担っているのでしょう。ブランディングデザインの対象は、企業そのものや商品、サービス、店舗、人などさまざまです。これらをどのように表現するか、どのように伝達するか、包括的に戦略を設計していく必要があります。ブランディングデザイナーの主な役割は、次のとおりです。
● ブランド戦略の設計
● ブランドイメージの視覚化
● 競合ブランドとの差別化
● ブランド認知・ブランド価値の向上
● ブランドの統一性の維持
それぞれ詳しく紹介します。
ブランド戦略の設計
ブランディングデザインの出発点は、明確なブランド戦略の設計にあります。ブランド戦略とは、ブランディングで作り上げたイメージを消費者へと浸透させるための戦略です。「どの人に対して、どのように伝え、どのように認知してもらうか」を設計するプロセスです。
ブランド戦略の設計は、ターゲティングや市場におけるポジショニング、ブランドアイデンティティの策定(どのようなブランドかを定義する)などを行ったうえで、進めていきます。
ブランディングデザインを効果的に実施するためにも、ブランディングデザイナーはまず、ブランド戦略をしっかり設計することが求められます。
ブランドイメージの視覚化
ブランディングデザイナーは、ブランドイメージを視覚化させることが役割の一つです。たとえばロゴやフォント、コーポレートカラー、Webサイトの構築、グラフィックデザインなどのさまざまな視覚的要素を通じて、ブランドの価値観やイメージを具現化しなければなりません。
視覚的要素は、目にすることで消費者にインプットされ、ブランドに抱くイメージや感情と強く結びつける働きをします。一貫性のあるビジュアルを提供し続けることで、ブランドに統一性を持たせ、ブランドの価値を高めるとともに、消費者からの信頼の獲得にもつながります。
競合ブランドとの差別化
多数の商品やサービスが存在する市場の中で、自社のブランドを際立たせることがブランディングデザイナーの役割です。
市場や消費者のニーズ、競合他社などを分析して、自社の独自性や強みを見出すことが大切です。そして違いや特徴を前面に出して、他社とは異なる位置づけを確立させることを目指します。
競合ブランドとの差別化を図れるとブランドの認知につながるほか、価格競争に巻き込まれなくなるなど、市場での優位性にもつながるため、ブランディングデザイナーは重要な役割を担っています。
ブランド認知・ブランド価値の向上
ブランディングデザイナーは、ブランドを認知させることはもちろん、ブランド価値を向上させることも求められます。
消費者がブランドを見たり聞いたりしたときに、まず企業やブランドを認知してもらうことが重要です。ブランドが認知されていれば、消費者が商品やサービスを利用する際に、選択肢の一つとして思い浮かぶようになるからです。消費者とのあらゆる接点において一貫したブランディングデザインができていれば、ロゴや広告、パッケージなどを見ただけでブランドを認識できます。
思い浮かんだ選択肢の中から選んでもらうためには、信頼感や愛着、共感などの感情にも訴求できていなければなりません。長期的にブレることなく、一貫性があるものを提供し続けることで、消費者は「信頼できる」と感じやすくなります。
消費者の視覚や感情に訴えかけ、ブランド認知・ブランド価値の向上を目指すのが、ブランディングデザイナーの役割です。
ブランドの統一性の維持
ブランディングは「一貫性を持たせることが重要」なことは紹介したとおりですが、これらを維持させることも重要です。ブランディングは一朝一夕で効果が出るわけではないため、長期的に取り組んでいくべき戦略です。一貫したブランディングを長期的に維持できるように、ガイドラインを作成するプロセスが欠かせません。ブランドの核となる価値観やロゴ、カラー、フォント、メッセージなどのルールをまとめておく必要があります。
このように統一性を維持させることも、ブランディングデザイナーの役割の一つといえるでしょう。
ブランディングデザイナーになるには
ブランディングデザイナーになるためには、まずデザインのスキルが必要です。「illustrator」や「Photoshop」の使い方などをはじめとする、視覚的なデザインスキルを学ぶ必要があるでしょう。 また、ブランディングに欠かせない、ブランド戦略やマーケティングの手法を学ぶことも不可欠です。具体的には、客観的な情報収集能力や、問題解決能力、データ分析能力などが挙げられます。これらのスキルを身につけるには、企業に就職してからも実践をまじえながらスキルアップし続ける必要があります。 その他、講座や研修に参加したり、資格を取得したりする方法も有効です。専門の講師による指導を受けられるため、足りない知識を補いながらより効果的にスキルアップを図れるでしょう。
ブランディングデザイナーに必要なスキル
ブランディングデザイナーの役割や必要なスキルは多岐に渡ります。ここではより具体的に必要なスキルを紹介します。
マーケティングスキル
ブランディングデザインを効果的に行うためには、マーケティングの知識と視点が欠かせません。どのような層をターゲットにするのか、競合との差別化ポイントはどこにあるのか、消費者が求めているものといった情報を、収集・分析するスキルが求められます。
ブランドの世界観を消費者に適した形で伝えるためにも、マーケティングスキルが必要です。
ビジュアルデザインスキル
ビジュアルデザインスキルは、ブランディングデザイナーに欠かせないスキルです。ブランディングデザインの中核を担う能力であり、ロゴやカラーフォント、Webサイトなどの、ブランドを構成するあらゆる視覚要素を設計・構築する際に必要不可欠です。ブランドのことを理解し、世界観やイメージを視覚的に伝える表現力が求められます。
コピーライティングスキル
ブランディングデザインにおいては、視覚だけでなく言葉も重要な要素です。商品のキャッチコピーや、広告やWebサイトのメッセージなど、短い言葉で端的に魅力を伝えることで、より強い印象と共感を生み出すことができます。
ブランディングデザイナーは、言葉の表現力や語彙力などのスキルも必要になるでしょう。
コミュニケーションスキル
ブランディングデザイナーは、ブランド戦略からブランドイメージの定着に至るまでの多くのプロセスに関わります。経営者からマーケティング、カスタマーサービス、営業などのさまざまな関係者と連携を図るため、コミュニケーションスキルが非常に重要です。ヒアリング力やプレゼンテーション力、意図を正確に伝える説明力なども求められます。
ブランディングデザイナーを目指す人におすすめの資格
ブランディングデザイナーになるためには、講座や研修への参加や、資格取得が効果的であると紹介しましたが、ここではおすすめの検定・講座である「デザイン思考検定」と「ブランディングデザインコーディネーター資格取得講座」を紹介します。
● 【デザイン思考検定】
こちらの検定は、「デザイン思考」「ブランディング」「DXリテラシー」の3科目で構成されています。「ブランディング」の科目では、ブランドとは何かを学び、ブランディングを実行するうえでの基盤となる考え方やマーケティングとの関わり方、ブランドの表現方法が学べます。ブランディングについて体系的に学びたい方をはじめ、デザインに興味がありその思考方法を知りたい方、さらにはDXについて勉強したい方にもおすすめです。
デザイン思考検定「ブランディング」科目の詳細はこちら
● 【ブランディングデザインコーディネーター資格取得講座】
ブランディングに貢献するスキルを習得し、ブランディングデザインを実行できるようになる講座です。 どなたでも受講可能ですが、デザイン思考検定(デザイン思考科目・ブランディング科目)と同様の知識を身に付けておく必要があるため、まずはデザイン思考検定から取り組むのがおすすめです。 「ブランディングデザインコーディネーター資格取得講座」の詳細はこちら
受講から認定証の取得まで、すべてオンラインで完結できるため、忙しい方でも学習しやすいことがメリットです。
まとめ
ブランディングデザイナーは、「企業が思い描くイメージ」と「消費者が抱くイメージ」を一致させるため、企業そのものや商品、サービスの価値や世界観を具現化しなければなりません。多岐にわたる役割があり、それらを果たすための多様なスキルも不可欠です。 ブランディングデザイナーを目指す方はもちろん、ブランディングに関するスキルを習得したい方は、今回ご紹介した「デザイン思考検定」と「ブランディングデザインコーディネーター資格取得講座」の取得をぜひご検討ください。
デザイン思考検定の詳しい情報は、こちらをご覧ください。https://d-kentei.com/
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