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  • あゆみ

第16回「ポニーテールの位置」

新しい職場に転勤して半年も経過すると、新鮮だった通勤風景もマンネリ化する。同じ時間に家を出て、同じ道を歩き、同じ電車に乗って、同じコンビニに寄って、同じ人たちとすれ違う。(この道、あと何回通るんだろう…)



女子高生のポニーテール

 

今日も私の数歩前を女子高生3人が横に並んで歩いている。ピシッと頭の高い位置で結んだポニーテールを揺らしながら歩く姿が印象的だ。3人同じ制服なので、同じ高校だろう。この高校は髪が肩にかかる長さの場合、結ばなければならないのかもしれない。


(写真はイメージです)

しばらく歩くと、いつもと同じ踏切で立ち止まる。女子高生3人と同じ制服を着た女子高生2人が近づく。髪型は同じポニーテール。お互い目が合うと、女子高生3人から挨拶をする。おそらく部活の先輩。さらに、近くにいた別の女子高生を見ると、髪型はポニーテールだった。しかし、結ぶ位置が低い。雰囲気からすると、文化部っぽい。(部活に入っているとは限らないが)


後に、高い位置のポニーテール女子たちは、チアリーディング部であることがわかる。なるほど、たしかに(チアリーディング部)っぽいな。髪型は部活の規定もあるかもしれない。結ぶ位置が高いと先輩から目をつけられたりするのかな(笑)、なんて1人で妄想していた。



観察しただけでは単なる調査

 

こんな感じで、日常的に意識して観察している人は少なくないかもしれない。観察することが重要であることは多くの人に知られている。しかし、観察しただけでは、単なる調査であり、エスノグラフィー(※1)にはならない。


(※1)エスノグラフィーとは、元来は文化人類学、社会学の用語で、集団や社会の行動様式をフィールドワークによって調査・記録する手法およびその記録文書のこと。近年は商品開発やマーケティングに欠かせない調査手法として注目されている。


エスノグラフィーには「解釈力」も重要とされている。それを見て何を思うか。女子高生のポニーテールも、別の人であれば、また違った解釈があるはずである。解釈力は経験に比例すると思う。ある名言もそんな感じのことを言っている。


「経験は思考から生まれ、思考は行動から生まれる」ベンジャミン・ディズレーリ(イギリスの政治家、小説家、貴族)


 

著者プロフィール

あゆみ

都内大学教員。博士(工学)。インストラクショナルデザインを中心に研究。

千葉県市原市出身。実家が農家。ラーメンが好き。


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